仕事の話。
今月から海外担当になった。
本当に勘弁してくれ。
前任者がジョブローテで消滅し、その代役として抜擢というシナリオらしい。
こう聞くとなんだかエリートっぽいが、実際のところは単なる押し付けである。
私は英語ができない。
大学時代は後輩にHoweverの意味を聞いてドン引かれたことがある。
こんな奴を海外担当にすると会社が傾くぞ、マジで。
もっとも私の配属されている課は圧倒的人手不足なので、自然な成り行きと言えばそうなのだが。
隣の課にはTOEIC900点超えのバケモンみたいな同期がいるのに。
配属ガチャミスった、クソー。
引き継いだのは現在確認できている範囲で10社くらいで、今後増える可能性もある。
なぜなら新規の取引先が増えていけば自ずと自分の担当になるから。
もう殺して。
そんなわけで今日も今日とてgu-guru翻訳やDeeeeeepL翻訳に足を運んではコピー&ペーストをして帰ってくる定期運航便と化していたのだが、
15時ごろ社用携帯に着信があり、事態は急変する。
仕事柄普段からよく電話はかかってくるので、まあいつも通り適当に話して時間を潰すかという魂胆で画面を見たところ、
表示されていたのは、頭に「33」の番号。
33・・・・・・??????
私のもとには韓国から電話が来ることはまあまああるが、
(韓国の会社は優秀なので基本的に日本語話者が実戦配備されている)
その場合は番号の頭に「82」が表示される。
いや33って、めっちゃ西側諸国やん。
・・・(着信を無視してパソコンで調べる)
フランス。
・・・・・・・・・無視するか。
かくして一度目の着信は戦略的放置という決断を下し事なきを得た。
「電話したけど不在だったのでメールにて失礼いたす」
的なジャパニーズトラディショナルワードで言うところのわびさびな返事を期待しての戦略的放置。
日本ではこれが通用するんだ。フランス人、頼む・・・!
が、その数分後またも着信。当然番号は33である。
ふざけんなフランス人。
2回目の無視はさすがにbijinesu的にご法度だと思うので、
鳴り響く携帯を握りしめオフィスを後にし、ロビー的な場所へ。
(英語ができない人なら共感していただけるかと思いますが、自分の英語を他の人に聞かれるのだけはマジで無理なので。)
私「はい、〇〇(社名)□□部△△です」(一縷の望みに賭け堂々日本語)
相手「縺薙s縺ォ縺。縺ッ遘√?縺ィ縺?≧莨夂、セ縺ョ繝輔Ξ繝?ぅ縺ァ縺吶?」
私「??????????」
相手「縺薙?蜑埼?√▲縺溯ヲ狗ゥ阪b繧翫↑繧薙〒縺吶¢縺ゥ縲√≠繧御セ。譬シ髢馴&縺」縺ヲ縺溘∩縺溘>縺ァ險よュ」縺励◆縺?s縺?縺代←」
私「?????????????????」
?????????????????????????????
(本当にこれ)
会社で英会話講座みたいなもんが毎週開催されていてヒーヒー言いながら自分も参加しているが、
外国人講師の小噺でみんな笑ってて自分だけ笑ってないみたいなことが多々ある。
要は理解できてないってことなんだけど。
あの講師ですらゆっくり配慮して喋ってくれてたんだ、と気づけたほどの早口。
ていうか人生でこんなに早い英語で話しかけられるの初めてだった。
街とかバイト先で英語で話しかけられたことはあるけど、
基本的には相手がこちら側に尋ねてる立場なので、そりゃまあ配慮してゆっくり喋るよね。
今回は完全に対等な関係なので、一切の容赦がない。
以後私の持ちうる最大限の語彙力を駆使してなんとか絞り出した全発言が下記の通り。
・すみませんが、会社名をもう一度言っていただけますか。
・こんにちは。
・知っています。
・私は英語が喋れません。
・メールでお願いします。
・英語が喋れません。
・(「いやあなたの話す英語は素晴らしいよ」といういらん誉め言葉に対して)NONONO
・翻訳サイトはグレイトなシステムで、本当に最高です。
・英語が喋れないんです。
・forgive me
・ありがとう。
もう殺して。