はがれる付箋

基本的にはがれないでほしい。

本土最南端の珍スポット「涅槃城」でプライムテンを飲んだ

日本本土最南端、鹿児島県大隅半島佐多岬

 

f:id:RealDoumin:20200302234308j:image

連休ともなれば最南端の称号を目指し全国各地から自転車、バイク、そして車で人々が集う風光明媚な岬だ。

 

そんな岬からほど近く、同じく本土最南端の珍スポットがあることを、みなさんはご存知だろうか。

 

無垢世界「涅槃城」

 

宗教法人「平等大慧会」が運営する宗教施設であると同時に、観光施設としての一面も持つ謎の城。

 

いくつか紹介しているサイトはあるものの、佐多岬の陰に隠れあまり知られていない。

 

 

f:id:RealDoumin:20200303003406j:image

しかしここ、なんと町の公式サイトに載っている。

行政公認珍スポット、これはもう行くしかない!

 

本土最南端の珍スポット「涅槃城」でプライムテンを飲む

 

2月下旬、アブダビの興奮冷めやらぬ私は、友人とともに車を走らせた。

彼はネットの海から涅槃城の情報をかき集め、私にそれを授けるばかりか、自らの目で確かめるべく今回わざわざ東京から馳せ参じてきた。

 

気が狂ってるとしか言いようがない。

 

海沿いを南へ、佐多岬へと通じる鹿児島県道68号線。

佐多町の中心地を通過してしばらく行ったところに、突如この看板が現れる。

f:id:RealDoumin:20200302235037j:image

 

日本最南端景勝の地 無垢世界 涅槃城

 

日本最南端景勝の地はこの先にある佐多岬ではないのかと突っ込みたくなるが、こいつに突っ込みを入れると収拾がつかなくなることは見てわかる通りだ。

 

 

もう少し寄って、左の案内図を見てみよう。

f:id:RealDoumin:20200302235532j:image

 

なるほど。

 

さっぱり分からないぞ・・・

 

分かるのは、現在地から進んだ先になんだか珍妙な建造物がたくさんあるという情報のみ。

 

f:id:RealDoumin:20200302235751j:image

そしてお前、

 

f:id:RealDoumin:20200303011041j:image

 

お前はなぜアフロなんだ。

 

謎は尽きないばかりだが、とにかく進んでみよう。

 

f:id:RealDoumin:20200303000643j:image

先ほどの案内図から中に入っていくとすぐに車一台分くらいの道になるが、道はきれいに舗装されており、非常に走りやすい。

分岐が何ヶ所かあるが、その度に看板が教えてくれるので安心だ。

 


f:id:RealDoumin:20200303000634j:image

細い山道を走ると心細くもなるが、看板が励ましてくれる。


f:id:RealDoumin:20200303000639j:image

核心に近づいてきた。もうすぐだ。


f:id:RealDoumin:20200303000631j:image

車のナビには関連施設が表示されていた。

機能が非常に残念なことで有名なマツダのナビでも表示されるのだから、相当なものだろう。

 

そして「それ」は、ついに我々の眼前に姿を現す。

 

 

f:id:RealDoumin:20200303001320j:image

 

バーーーーーーーン!!!!

 

この門こそが、無垢世界・「涅槃城」への入口、涅槃門だ!

先ほどの案内図でアフロが立っていた地点である。

 

当日は雨天だったのだが、どんよりとした空模様もまた奇怪さを際立てる。

 

なお来訪者はこの門をくぐることができないため、右に設けられている側道から内部へ侵入することとなる。

 

f:id:RealDoumin:20200303001704j:image

そしてまた案内図。

入口にあったものよりも詳細で、写真付きなのが非常に分かりやすい。

そしてこの図の左上の…

 

f:id:RealDoumin:20200303001916j:image

これ!

これこそが涅槃城を涅槃城たらしめる涅槃佛様(昭和57年9月安立)。

オラすっげえワクワクしてきたぞ。

 

そこから少し先、広大な駐車場に車を止めた我々を待ち構えていたのは、

 

f:id:RealDoumin:20200303001707j:image

普賢菩薩様」文殊師利菩薩様」

なんか象さんと獅子っぽいのに乗っててかわいい。

 

中央左の大きな箱みたいな建物の上に涅槃佛様は鎮座しているのだが、ここからは角度が悪く見ることができない。

また一般人は立ち入り禁止になっているため、ここから眺めることしかできない。

 

行きの涅槃門までの道すがら、木々の切れ間から涅槃佛様がチラチラ見えていたのだが、写真を撮ることができなかった。撮っておけばよかった。一生の不覚である。

 

さて、文殊師利菩薩様が坐している建物が展示館になっている。

一体なにを展示しているんだ、もうすっかりこの施設の虜になってしまった我々が小躍りしながら向かったところ、


f:id:RealDoumin:20200303001712j:image

閉まってた。

なんでだよ。

 

一大コンテンツの展示館に肩透かしを食らったので、休憩施設へと向かう。

 

f:id:RealDoumin:20200303002550j:image

手前が「夢殿」、奥が「休憩施設」

 

展示館が閉まっていたため、休憩施設も閉まっているのでは・・・、と危惧したが、こちらは営業していた。

 

中に入ると、無難にお土産を売ってたりする物販コーナーと、テーブル多数。

軽い軽食を出すようなスペースもあったが、そちらは営業しているか不明。

 

レジ係の女性は、我々が物色している間直立不動でレジの前から動かない。

ホスピタリティである。

 

そこで我々が買い求めたのが、
f:id:RealDoumin:20200303002600j:image

これ。涅槃城名物、プライムテン

 

平等大慧会オリジナルエナジードリンクで、おそらくここ涅槃城か、平等大慧会が本部を置く広島県廿日市市周辺でしか手に入らないと思われる貴重な代物。

 

そんなプライムテンの気になる中身だが、

 

f:id:RealDoumin:20200303004217j:image

 

高麗人参(最高級品)

ドクダミ(たくましく育てられた)

・梅(紀州産)

 

なんだこの、この世の"癖"がタッグを組みました、みたいな。

間違いなく精がつきそうな原材料ではあるが・・・。

 

そしてこれ、飲んだ人々の感想が「苦痛」「不味い」「吐いた」等散々なもので、その味を確かめるためにわざわざやって来たところもある。

 

プライムテンいかなるものぞ、覚悟して口をつけたのだが、

 

案外飲めちゃった。

 

確かに、高麗人参ドクダミを足して2で割って炭酸にした上に梅のフレーバーを溶かしました〜みたいな味だったが、飲めないほどではない。

安心したようなガッカリしたような、不思議な気持ちになってしまった。


f:id:RealDoumin:20200303002553j:image

ちなみにプライムテンゴールドなるものもある。

こちらは525円とやや高価。

気になる人は買い求めてみてください。私は遠慮しときます。

 

f:id:RealDoumin:20200303004953j:image

鹿児島らしくオリジナル焼酎もあったのだが、最後まで買うかどうか悩んで結局買わなかった。

誰か私に無限の財力と無限のアセトアルデヒドを分解するパワーをください。

 

 

先ほどの展示館と反対側の高台には、動物供養の塔があった。

 

f:id:RealDoumin:20200303005116j:image

なんとも言えない表情の犬。


f:id:RealDoumin:20200303005112j:image

「ペット供養」のフォントがかわいい。

上部のモニュメントが「人」なのは、ここで供養することで速やかに人間界に生まれ変わることができるからとのこと(多分)。

 

f:id:RealDoumin:20200303005503j:image

高台に登ると、ちょっぴり涅槃佛様が見えた。

こっち向いてよー。


f:id:RealDoumin:20200303005510j:image

この施設が建っている場所は立目崎といい、薩摩藩の時代にはここから往来する船を監視していたという。

天気が良ければ絶景だったんだろうなあ。

 

探索はここまで。元来た道を戻る。


f:id:RealDoumin:20200303005507j:image

綺麗に刈り込まれている。

建物の随所に古さは感じるがしっかり管理はなされているようだ。

ちなみにトイレも掃除が行き届いている上にウォシュレットだった。

これはもう観光施設として100点だ。

 

f:id:RealDoumin:20200303010018j:image

そして再びこの門の側道を通り、涅槃城を後にした。

 

無垢世界涅槃城、完成当初は町の一大観光地として多くの人を集めたようだが、今では往年の賑わいぶりは影を潜め、山奥の珍スポットとして余生を全うしている。

そうした経緯から、宗教施設の割に部外者ウェルカムな雰囲気があり、気軽に訪れやすい。

関係者と思われる店員の方もすばらしい接客だった。

 

次は天気の良い日にまた来よう。

展示館の中を見に来よう。

 

そう思いながら、佐多岬へとハンドルを切った。